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2012年5月28日

顎の関節が鳴る人は正常な人とどう違う?

顎が痛い、顎の関節が鳴る、口が大きく開かないなどの症状をもつ顎の慢性的な疾患を顎関節症といいます。
顎関節症の症状のうち顎関節雑音はよく起きる症状の一つですが、顎関節部の構造上の変化により口を大きく開けた時にカクッという音(クリック音)や、ジャリジャリという音(クレピタス音)が鳴ります。
なぜこのような雑音が生じるのでしょうか。

まず顎関節部の構造を図1に示します。
耳のすぐ前のあたりに下顎窩と呼ばれるくぼみがあり、そこに下顎頭と呼ばれる下顎骨の一部がはまり込んでいます。下顎窩と下顎頭の間には関節円板という繊維性軟骨組織があり、骨同士が直接擦れあわないよう、クッションの役割を果たしています(図2)。

顎関節が正常な場合、下顎頭は開口時に回転しながら下顎窩から外れ、前方に滑り出します。この時関節円板も下顎頭の上に乗って一緒に移動します(図3)。この下顎頭の前方移動がないと口は大きく開きません。
クリック音がする場合はもともとこの関節円板が下顎頭の前方に外れた状態になっており(図4)、開口時の下顎頭の前方移動に伴って関節円板が下顎頭の上に乗った瞬間、カクッと音がします。関節円板が下顎頭の上に復位しないと下顎頭は前方に移動できないため、口が大きく開かなくなります。このように開口障害が起きれば治療が必要ですが、クリック音のみで日常生活に支障がないこともあり治療をせず経過観察にする場合もあります。

もう一つのジャリジャリというクレピタス音は、歯ぎしりや咬み合わせの異常など、長年の顎関節への過度な負荷により下顎頭や関節円板が変形してしまうことが原因とされており、簡単に症状が改善するのは難しいとされています。


図1 顎関節部の構造


図2 関節円板の正常な位置関係 下顎頭と下顎窩との間に位置している


図3 開口時 関節円板は下顎頭に乗ったまま前方に移動する


図4 関節円板の下顎頭前方への転位 開口時に関節円板が復位するとカクッと音がする