お知らせ・コラム
過換気症候群はどんな時に起きる?
虫歯などで歯科治療をしなければならなくなった時に不安や緊張は付き物ですが、極度の精神的不安や恐怖心によって呼吸が早く深く(過呼吸)なって様々な症状が発現することがあります。これを過換気症候群といいます。過換気症候群は神経質な人や緊張しやすい人に多く、特に精神的ストレスを受けやすい若年者に多いと言われています。
過呼吸になると血液中の二酸化炭素濃度が低くなり血液がアルカリ性に傾く(アルカローシス)ことで血管の収縮が起き、手足のしびれや痙攣、動悸や胸の痛みが生じることがあります。
過換気による発作を鎮めるには血液中の二酸化炭素濃度を上げる必要があります。そのためには不安や緊張を解いてあげてゆっくりと呼吸させるようにすれば症状が徐々に改善します。本人は窒息するような呼吸困難さを感じていますが、血液中の酸素は十分足りているので窒息したり命が危険になったりすることはありません。
過換気症候群になった時に紙袋を口にあて、二酸化炭素濃度を上げる方法(ペーパーバッグ法)がよく知られていますが、低酸素症になり逆にリスクが高くなる可能性があるので現在は推奨されていません。
歯科治療も慣れてしまえば精神的不安はなくなり、過換気の発作を起こすことはほとんどありませんが、発作を繰り返す場合は不安障害やパニック障害などの精神的な病気が疑われるため、心療内科や精神科の受診をお勧めする場合がありますのでご了承ください。