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味覚障害はどんな時に起こるの?

味覚は食事を楽しむのに必要不可欠です。また食べ物が腐敗していないかどうかを判別するのにも重要な働きをしています。味覚障害が起きてしまうと食欲や判断力が低下するため、健康に悪影響を及ぼすことがあります。

一口に味覚障害といっても味覚が減退するだけでなく、味覚消失解離性味覚障害(特定の味覚が分からなくなる)、異味症(本来の味と違った味がする)、悪味症(食べ物全体が嫌な味になる)など様々な症状があります。

味覚障害が起こるのは、多くは体内の亜鉛不足が原因とされています。舌の表面には数多くの味蕾(みらい)といわれる味を感じる器官がありますが、亜鉛が不足すると味蕾を形成する細胞が減少したり、機能が低下したりします。
また唾液の分泌低下も味覚障害の原因とされています。唾液が少なくなると口の中が乾燥し、味物質が味蕾へ拡散されにくくなるためです。

味覚障害は薬の副作用でも引き起こされます。亜鉛の吸収を阻害したり、唾液分泌機能を低下させる副作用を持つ薬は数多くあります(表1)。
味覚障害は、消化管の機能低下による亜鉛の吸収量の減少や唾液分泌が低下する傾向にある高齢者に多いですが、最近では偏食傾向にある若い女性も増えているそうです。

味覚障害を改善する方法は

  1. 1. 亜鉛不足が原因の場合
    亜鉛を多く含む食べ物を摂取する必要があります(表2)。また亜鉛を含むサプリメントを摂取する方法もあります。亜鉛供給による味覚障害の改善は、効果が表れるのに1か月以上かかるといわれていますので、焦らずに経過をみていきましょう。
  2. 2. 薬の副作用が原因の場合
    医師と相談して薬の服用中止や変更が必要な場合がありますが、勝手に薬の服用を中止するのは危険です。
  3. 3. 唾液分泌低下が原因の場合
    口腔乾燥を改善する薬(サリグレンなど)の服用や人口唾液の噴霧薬(サリベートなど)、うがいや水分補給で味覚が改善する場合があります。

表1 味覚障害を起こす薬剤

利尿剤 フルイトラン錠、ラシックス錠
カルシウム拮抗剤 アダラート、ヘルベッサーR
解熱鎮痛剤 アスピリン、ポンタール
抗ヒスタミン剤 ポララミン、ピレチア
抗不安剤 ジアゼパム、ハルシオン錠
抗てんかん剤 テグレトール錠、アレビアチン
抗生物質 ビクシリン、リラシリン、ファンギゾン、フラジール
抗がん剤 アドリアシン、フトラフール、MTX

表2 亜鉛を多く含む食品

魚介類 カキ、いわし、しらす干し、魚卵
海藻類 寒天、のり、わかめ
肉類 牛レバー、牛肉、豚肉
野菜類 干ししいたけ、パセリ
豆類 小豆、大豆(納豆、味噌、きなこ)
種実類 カシューナッツ、アーモンド
嗜好飲料 抹茶、煎茶、紅茶、ココア

診療項目

山手通り歯科
住所
〒153-0051 東京都目黒区上目黒1-16-8 Yファームビル3F
アクセス
東急東横線、東京メトロ日比谷線の『中目黒駅正面口』改札を出て山手通りを左に進み徒歩2分

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