口唇の形態は人それぞれ違います。それはもちろん遺伝的なことも関係しますが、歯並びによっても大きく影響されます。
例えば前歯が喪失すれば口唇は薄くなり、八重歯の人は上唇の両端が釣り上がります。
また左右で歯並びが わずかに違っていても、口唇の形態は非対称になる場合があります。
その一例をご紹介します。
図1 術前 上唇の左側が下がっている(矢印)
図1は、口唇が左右非対称なので治してほしいと来院された患者様の術前写真です。よく見ると上唇が左下がりになっていることが分かります。これは左上の前歯が右上の前歯に比べて、わずかに奥へ引っ込んでいることが原因です。
図2 左前歯の唇面に材料を添加(矢印)
そこで左上前歯の唇面に0.7ミリ程度材料を添加しました(図2)。
図3 上唇の左側が上がり、形態が改善された
術後(図3)の写真を見ると左下がりの上唇が水平になり、左右対称に改善されました。
このようにわずかな歯並びの違いでも、口唇の形態に影響してしまうことがお分かりいただけたでしょうか?