親知らずが変な生え方をするのはのはなぜ?

親知らずが変な生え方をするのはのはなぜ?

コラム

2021.4.28

親知らずが斜めや横向きなど変な生えかたをしたり、歯肉の中に埋もれてしまったりするのは(図1)、現代人が柔らかい食べ物を食べる機会が多くなり、顎が退化して小さくなって親知らずが生え揃うスペースが不足したためだと言われています。
親知らずをこのような状態で放置しておくと様々な問題が生じてきます。歯と歯肉の間に食べかすや細菌が入り込みやすく、歯肉や頬が腫れたり、一つ手前の歯が虫歯になったりします。

親知らずをスペアタイヤのように、他の歯に何かあった時のために残しておくのも一つの考えですが、このような悪い状況になっている場合は抜歯をしたほうがよいでしょう。

しかしながら現代人の顎が小さい傾向にあるとはいえ、顎が大きな人ももちろんいらっしゃいます。このような方は前歯から親知らずまできちんと生え揃っており、歯としての咀嚼機能を十分果たしています(図2)。

ちなみに親知らずがこのような呼ばれ方をするのは、この歯の生え揃う時期が17~22歳くらいと遅く、また大昔の人は寿命が短かったため、この歯が生えてくる頃には親は亡くなっていたからだといわれています。

術前 歯間部の虫歯が透過して見える
図1 横向きに生えたり、歯肉に埋まっている親知らず(矢印)

術前 歯間部の虫歯が透過して見える
図2 正常に生え揃った親知らず(矢印)

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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