虫歯を防ぐ予防充填(シーラント)とは?

虫歯を防ぐ予防充填(シーラント)とは?

コラム

2022.10.20

お子様の萌出して間もない永久歯は成人のそれと比べると幼若で、時期的に最も虫歯になりやすいといえます。奥歯のかみ合わせの面にある溝(裂溝)は虫歯になりやすい部位の一つですが、皆さまが考えている以上にこの溝は深く(図1)、虫歯の原因となる歯垢が溜まりやすくなっています。この虫歯になりやすい溝をレジンという樹脂で(図2)埋める方法を予防充填(シーラント)といいます。

予防充填処置は比較的簡単にできます。まず歯の溝に付着した歯垢をブラシや薬剤できれいに除去します。歯面処理後(図3)、シーラント材を溝に流し込んでからブルーライトで硬化させて完了です(図4・図5)。歯を削る必要がないので痛みはありません。

予防充填(シーラント)は半永久的ではなく、充填材が摩耗したり剥がれたりすることがあるので定期的な検診が必要です。また充填剤には親御様でも分かるよう色が付けてあるので、お子様のシーラント材が取れた場合は早めに受診した方がよいでしょう。また予防充填をしたからといって絶対虫歯にならないということはありません。なぜなら虫歯になりやすい部位は歯の裂溝だけではないからです。歯と歯肉の境目や歯と歯の間も虫歯になりやすいので、日頃の歯みがきがとても重要になります。特に小さなお子様は本人のみの歯磨きだけでは歯垢をきれいに取り除くことができませんので、親御様が必ず仕上げ磨きをしてあげて下さい。さらに定期検診での歯みがき指導やフッ素塗布なども虫歯の予防に効果的ですので、受診をお勧めします。

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図1 歯の裂溝は想像以上に深く、
歯垢が溜まりやすい

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図2 予防充填(シーラント)材

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図3 歯面清掃と裂溝部の処理後

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図4 シーラント材を溝に塗布して
ブルーライトで硬化

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図5 予防充填(シーラント)完了.
識別のため色が付いている

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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