蓄膿症は歯が原因で起きることがある?
2009.3.30
蓄膿症(副鼻腔炎)は副鼻腔とよばれる鼻の周囲にある骨の空洞が、風邪やアレルギーなどが原因で炎症を起こして膿が溜まることをいいます。
その結果
・黄色や緑色の粘りのある鼻汁が出る
・眼の下の部分が痛む
・上の奥歯が痛む、歩いた振動でも歯が浮く感じがする
といった症状が出ます。
上の奥歯が健全であっても痛みを感じることがあるのは、副鼻腔が上の奥歯の歯根と接しているからです(図1)。
また、このような副鼻腔の位置関係から、歯が原因で蓄膿症を引き起こすことがあります。
虫歯などで歯根の内部に細菌感染が生じた場合、細菌が歯根の先端から副鼻腔の粘膜に感染して炎症を起こし、慢性的な蓄膿症になることもしばしばあります。
このように歯が原因で蓄膿症になっている場合は、歯の治療をして副鼻腔への感染を断たなければ治癒は望めません。
慢性的な蓄膿症にお悩みの方は、ひょっとしたら上の奥歯に問題があるかもしれません。
図1 副鼻腔の下部は上の奥歯の歯根と接しています。 蓄膿症の場合、副鼻腔に膿が溜まるため、レントゲンでは反対側の副鼻腔と比べてやや白く見えます。

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長
東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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