歯周病とはどんな病気?
2018.8.24
歯周病とは読んで字のごとく、歯の周囲の病気です。つまり歯を支えている歯槽骨や歯肉が徐々に破壊されていく病気です。
主な原因は、歯と歯肉の境目に付着した歯垢(プラーク)の中にいる歯周病菌です。これが歯周ポケット内に入り、歯と歯肉の付着を剥がして歯を支えている歯槽骨まで破壊していきます(図1)。これにより歯肉の腫れや出血、さらには歯の動揺を引き起こします。
健全な歯肉と比較すると(図2)歯肉の色や形態、歯垢(プラーク)や歯石の付着状況が大きく異なっていることが分かります。
統計によると、35歳で8割以上の人が歯周病になっているといわれています。しかし35歳になってから突然歯周病になるわけではなく、10代から長い年月をかけて歯肉をジワジワと冒し続けているのです。歯周病は別名silent diseaseとも言われ、痛みなどの自覚症状がないまま静かに進行していく病気で、気が付いた時にはかなり病状が悪化している場合があります。
自分で歯周病かどうかチェックするポイントは
●歯肉の色が赤い
●歯と歯の間の歯肉が丸みを帯びている
●歯肉を指で押すと膿が出てくる
●歯磨きの時に出血しやすくなった
●歯が長く見えるようになった
●歯がグラグラ動くようになった
●歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなった
●口臭を指摘されるようになった
などです。
上記のような症状がありましたら早めに歯科を受診し、歯周病の治療をしましょう。
また歯周病が進行しないよう、日頃から歯周病の予防を心掛けましょう。
図1a歯周病の症例.歯肉は赤く腫れ、丸みを帯びている.歯と歯肉の境目に歯垢や歯石が付着している
図1b歯垢の中にいる歯周病菌により、歯と歯肉の付着が徐々に剥がれ、歯槽骨が破壊されていく
図2a健全な歯肉の症例.歯肉はピンク色で歯と歯の間の歯肉は鋭く尖った形状をしている
図2b健全な歯肉のイラスト

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長
東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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