歯を抜いたままにしておくとどうなる?

歯を抜いたままにしておくとどうなる?

コラム

2021.6.25

『ひどい虫歯で歯を抜いてしまった。でも痛みはないし、それなりに食事もできるからほったらかしにしている。』
このように歯が抜けたまま放置しておいても大丈夫だと思いますか?
実は歯が抜けたままにしておくと長い目で見た場合、いろいろな弊害が生じます。
例えば奥歯で途中の歯が欠損している場合、隣の奥歯が手前に傾いてきます(図1)。歯の軸が斜めになってしまうため、強い力で食べ物が咬めなくなったり、咬み合わせのバランスが崩れて顎の調子が悪くなったりすることがあります。


図1

また歯を抜けたままにしておくと、対合する歯(下の歯がない場合、その直上の歯・図2)が飛び出してきます。こうなると飛び出した歯は食事のたびにひっかかり、顎の動きが妨げられて顎の調子が悪くなることがあります。


図2

このような好ましくない歯の移動が起きてしまうと、歯を元の位置に戻すのは困難で、その後の歯の治療が大変になってしまいます。
痛くないからといって放置せずに、欠損部や周囲の歯の状態を考慮して、ブリッジやインプラントなどによる欠損部の治療を早めに行ったほうがよいでしょう。

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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