歯を大きく削らなくてもブリッジはできる?

歯を大きく削らなくてもブリッジはできる?

コラム

2013.3.17

ブリッジとは、歯が喪失した場合に欠損部に隣接する歯を削って土台を作り、橋渡しをするようにかぶせ物(クラウン)と欠損部の人工歯を一体で入れる方法です。これにより欠損部位に人工歯が入るため、抜く前と同じような噛み合せや形を取り戻すことが出来ます。

ブリッジのメリットは違和感が少なく、比較的簡単に短期間で治療が完了するところですが、デメリットは隣在歯に負荷がかかることと隣在歯が健全歯の場合でも大きく削る必要があるところです。ただし隣在歯がすでに被せ物(クラウン)が入っている場合は、被せ物を外すだけで作れるので健全歯を削る心配はなくなります。
隣在歯を削らずに治療する方法には部分入れ歯インプラントがありますが、部分入れ歯には着脱の煩わしさや異物感の強さといったデメリットがあり、インプラントには隣在歯に負担がかからないものの費用が高い、治療期間が長いといったデメリットがあります。

欠損部をブリッジにする場合、基本的には隣在歯を削る必要がありますが、欠損の部位や設計によっては健全な歯を大きく削らなくてもブリッジにすることが可能です。
図1~図3は下顎前歯1歯欠損の症例ですが、隣在歯が健全歯であるため、舌側面のみを薄く削り、そこに薄いフレームで接着させる接着ブリッジという方法をとっています。
接着ブリッジの場合、今までは薄く設計できる金属フレームが一般的でしたが、現在はジルコニアという白いフレームで作製することができ、審美的にも改善されています。歯を大きく削る必要がないので歯にやさしい治療法ですが、隣在歯を大きく削って被せる一般的なブリッジと比較すると接着面積が小さいので、繰り返し大きな力がかかる奥歯では外れてしまうリスクが高くなるので、フレームの設計には細心の注意が必要です。

下顎前歯1歯欠損の症例
図1 下顎前歯1歯欠損の症例
隣在歯が健全歯のため舌側面を薄く削り、接着ブリッジとした。

接着ブリッジ
図2 接着ブリッジ
ジルコニアフレームを使用した接着ブリッジ

ジルコニアブリッジ装着後
図3 ジルコニアブリッジ装着後
従来型の金属フレームより、見た目もきれいにできる

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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