歯を全く磨かない人の結末は?
2014.2.20
お口の中の環境は人それぞれ違います。虫歯のなり易さ・なり難さは、唾液の質や量、虫歯菌の多さ、食生活など、歯に影響を及ぼすいろいろな要素によって決まります。
もし虫歯になりやすい人が歯を全く磨かなければどうなるでしょう。そのような患者様の一例を図1に示します。
図1は29歳男性の口腔内の写真ですが、歯を磨く習慣が無かったため、虫歯菌が放出する酸によって広範囲に歯が溶けてしまっています。
この状態では食事もまともにできませんし、発音障害も生じます。
治療方法に関しては、残念ながら多くの歯を抜歯して、入れ歯もしくはインプラントで機能回復しなくてはなりません。
中には歯みがきをしなくても虫歯にならない方がいらっしゃいますが、そのような方の口腔内は歯周病が進行していることが多いので、いずれにしても歯みがきは必須です。
歯みがきはお子様の時から習慣付けておかないと大人になってから苦労します。歯の治療は時として高額になりますし、治療期間も長くなります。虫歯予防であれば治療期間も費用もそれほどかかりません。生涯ご自分の歯で過ごせるよう、丁寧な歯みがき習慣を付けましょう。
図1a 歯をみがく習慣の全くない29歳の患者様の口腔内(上顎):前歯部の虫歯が特にひどく、前歯6本は抜歯の適応となる
図1b 歯をみがく習慣の全くない29歳の患者様の口腔内(下顎):臼歯部の虫歯が特にひどく、臼歯のほとんどが抜歯の適応となる

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長
東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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