歯みがきをしなくても虫歯にならない人はいるの?
2021.5.31
毎日欠かさず歯を磨いているのに、知らないうちに虫歯になっていた経験がある人は少なくありません。逆に歯をほとんど磨かなくても虫歯にならない人がいるのも事実です。
これは、虫歯になり易い人となり難い人で、お口の中の環境が大きく異なっていることが理由に挙げられます。
歯を磨かなくても虫歯にならない要因としては主に、歯に付着している歯垢(プラーク)の中に酸を出すいわゆる虫歯菌がほとんどいないか、もしくはたとえ虫歯菌がいても虫歯菌が放出する酸を中和する唾液の緩衝能が非常に高いからだと考えられます。
しかし虫歯がないからといって安心してはいけません。歯を磨かないでいると、歯肉から出血したり歯石が付着したり、さらには歯がグラグラと動揺してきたりする、いわゆる歯周病になる人も多いのです。
虫歯も歯周病も細菌が関与する病変で、どちらもお口の中を清潔にすることでかなり改善されます。ただし虫歯に関しては、きれいに歯を磨いている人でも治療した歯の内部で虫歯が再発することがあります(虫歯の再発についてはこちら)。
いずれにしても、まずはお口の健康を維持するために、毎日の歯磨きをきちんとやりましょう。
図1 虫歯になりやすい人
図2 歯を磨かないのに虫歯にならない人.歯周病が進行している

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長
東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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