歯の麻酔が効かないのはどんな時?
2021.11.25
歯の治療をした時に麻酔の注射が効かず、痛い思いをした経験はありませんか?
歯の麻酔が効かない主な原因は、
①麻酔の量が少ない
②針を刺す場所が適切でない
これらはドクター側の問題で、適切な量と方法で麻酔は効いてきます。
③骨密度が高く、麻酔薬が歯根の部位まで浸透しない
上顎の歯は周囲の骨密度が低く、骨内に麻酔薬が浸透しやすいのでよく効きます。
しかし下顎の奥歯は骨密度が非常に高く、麻酔をしても骨内に薬が浸透しないため、効かないことがあります。このような場合は歯根と骨とのわずかな隙間(歯根膜)に針を刺し、少しずつ麻酔薬を入れていきます。
④痛み(炎症)が強い
歯の痛みが強いときや歯肉が炎症を起こして腫れている時は、局所が酸性に傾いているため麻酔が効きにくくなります。虫歯が非常に大きく、歯の神経を除去せざるを得ない場合は、痛いのですが歯の神経(歯髄)に直接麻酔をする場合があります。
またお酒をよくお飲みになる方は麻酔が効きにくいと言われていますが、歯の麻酔は局所に直接作用するので、基本的には飲酒との因果関係はないようです。しかし治療の前日はお酒を大量に飲むことは避け、体調を整えておくことはいうまでもありません。

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長
東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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