歯の奇形にはどんなものがある?
2014.3.26
歯の奇形とは形態が通常とは異なる歯のことをいい、種類は様々ありますが、奇形の種類によって好発する部位は異なります。
歯の奇形のうち、比較的よく見られるものを以下に紹介します。
図1は癒合歯と呼ばれる奇形で、2本の歯がくっついた状態で生えてきます。好発部位は中切歯と側切歯、もしくは側切歯と犬歯で、図1では左側の中切歯と側切歯の歯冠が象牙質で癒合しています。癒合の仕方は様々で、2本の歯の形態が明瞭なものからほとんど1本の歯に見えるものまであります。
図2は矮小歯と呼ばれる奇形で通常の歯の形態よりも細く円錐状を呈します。上顎の側切歯や上顎の第3大臼歯(親知らず)によく見られます。
図3は歯の中央の突起が折れていますが(矢印)、これは中心結節と呼ばれ、最初は突起が細長い状態で生えてきます。好発部位は上下の小臼歯で、生えてから間もなくこの突起は折れてしまうことが多く、そこから歯の神経(歯髄)に細菌が感染して壊死することも少なくありません。
図1 癒合歯:下顎の左側中切歯と側切歯が癒合している(矢印)
図2 矮小歯:上顎側切歯に多く、円錐状の形態をしている
図3 中心結節:歯の中心部にある突起で(矢印)、その多くは萌出して間もなく折れてしまう

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長
東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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