歯ぎしりがうるさいと言われたけど、どうすればいい?
2018.3.27
自分が歯ぎしりをしているかどうかは、いびきと同様、誰かに指摘されないと分からないものです。もし歯ぎしりの音がうるさいと言われたことがあるなら、あなたはパートナーやルームメイトなど、同じ部屋で就寝する人を睡眠不足にしている可能性があります。また自分が歯ぎしりをしていることが分かれば、周りに迷惑をかけているのではないかと自分自身も気になって熟睡できていないかも知れません。
歯ぎしりは音だけでなく、その強い咬みしめで歯の咬合面が著しく摩耗していきます(図1)。その結果、表面のエナメル質が無くなり知覚のある象牙質が露出して、食事のたびに歯がしみることもあります。
歯ぎしりの原因は、精神的ストレスが原因と言われることがありますが、まだはっきりとしたメカニズムは解明されておらず、根本的な治療法はありません。しかし歯ぎしりをしても音が出ないようにすることは可能です。
図2のように専用のマウスピース(ナイトガード)を歯科医院で作製してもらい就寝時に装着すれば、歯ぎしり音は無くなります。
ナイトガードは耳障りな歯ぎしり音を消すだけでなく、ナイトガード自体が摩耗することによって、歯が摩耗するのを防ぎ、また歯ぎしりによる歯の動揺を抑制するのにも役立ちます。
ナイトガードは保険が適用されるので、五千円程度で作ることができます。厚さは1mm位の厚さから作れますので、違和感も比較的少ないと思います。
もし、歯ぎしりがうるさいと言われたことがあるのなら、一度作ってみてはいかがでしょうか。
図1 歯ぎしりにより著しく摩耗した奥歯.象牙質が露出すると歯がしみることがある
図2 歯ぎしり用のナイトガード.ナイトガードが摩耗することで歯の摩耗を防ぐことができる

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長
東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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