日本ではなぜ銀歯が多い?

日本ではなぜ銀歯が多い?

コラム

2014.11.26

日本では、奥歯の虫歯治療は銀歯になってしまうことが多いのですが、欧米諸国においては歯に銀歯を詰めることはほとんどありません。
銀歯による虫歯治療は日本特有で、これは日本の保険診療が関係しています。
保険診療は、厚生労働省が策定した診療報酬の点数に基づいて行っているので銀歯になることが多いのです。患者様は好んで銀歯にしたいとは思っていませんが、保険制度上やむを得ないところもあります。
国民皆保険制度は日本が持つ素晴らしい制度です。これは、『皆が均等に治療を受ける』制度であり、日本の医療や国民を助けてきました。ただ、セラミック治療のようなより高度な治療を求める場合は残念ながら保険診療ではできません。

銀歯のメリット
・保険診療なので安く治療できる。
・金属なので壊れにくい。

銀歯のデメリット
・見た目が悪い。
・金属アレルギーになる可能性がある。
・接着材料の耐久性がない場合、虫歯が再発しやすくなる。

一方セラミック治療のメリット
・見た目が健全歯とほとんど変わらない。
・強い咬合力がかかっても摩耗しにくい。
・当院では特殊な接着技術で虫歯の再発を防ぎ、長くもたせることができる。
・当院では虫歯の再発や破損に対して10年の保証をしている。

セラミック治療のデメリット
・自費診療のため高額(1歯あたり5万円~15万円位)
・材質によっては部分的に破損する場合がある。

当院では奥歯の虫歯治療はセラミックによる修復をお勧めしています(図1)。見た目はもちろんのこと、虫歯が再発しないように歯とセラミックを特殊な処理をして接着耐久性を高め、歯が機能的、審美的に長くもつようにしています。虫歯になったら保険でまた治療すればいいといった考え方は間違っています。歯は虫歯になるたびにどんどん削られ最終的には喪失してしまいます。
奥歯の虫歯治療は、保険内でもコンポジットレジンという歯と同色の詰め物をすることができますが、ある程度の大きな虫歯にこの方法を適用すると奥歯の強い咬合力でレジンが摩耗しやすく咬み合わせのバランスが崩れてしまうことがあるため、当院ではお勧めしておりません。

奥歯の銀歯をすべてセラミックで修復した症例
図1 奥歯の銀歯をすべてセラミックで修復した症例

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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