授乳中にお薬を飲んでも大丈夫?

授乳中にお薬を飲んでも大丈夫?

コラム

2020.2.25

授乳期間中にお母様が病気になり薬を服用しなければならないことがあります。そこで心配なのが、母乳を飲んだ赤ちゃんに影響がないかということです。母親に投与された薬は母乳中に移行しますが、移行量は母体投与量の1%程度と微量ですので、赤ちゃんへの影響は小さいと考えられます。すべての薬が安全というわけではありませんが、医師の診断のもと正しく処方された薬を服用していただければ問題ありません
むしろ赤ちゃんへの影響が心配だからといって、自分の判断で勝手に薬の服用を中止するほうが母体によくありません。また薬を服用しているからといって急に断乳してしまうと乳腺炎を起こして激しい痛みを伴うことがありますし、ホルモンの影響などで母乳を再開することが困難になることもあります。

母乳は赤ちゃんにとって必要な栄養素が全て含まれる完璧な食品です。母乳には粉ミルクにはない多くの成分が含まれています。
薬の母乳への移行量は微量とはいえ心配かもしれませんが、赤ちゃんを母乳で育てるメリットははるかに高いのです。逆に断乳するメリットはほとんどありません。

母乳で育てるメリットは、

  1. 1. 免疫グロブリン、ラクトフェリン、白血球などが含まれており、赤ちゃんが病気になりにくい
  2. 2. 神経の発達にも関与していて、認知機能が高くなると言われています。
  3. 3. 母乳育児によって将来的に肥満や糖尿病、高血圧になるリスクが低くなるという報告もあります。

また母乳育児は母親にとってもメリットがあります。

  1. 1. 乳がんの罹患率が下がります
  2. 2. 母乳を出すことは多くカロリーを消費するのでダイエット効果もあります
  3. 3. 骨粗しょう症にもなりにくいといわれています。

授乳中にお薬を飲んでも大丈夫?

歯科においては、解熱鎮痛剤抗菌剤がよく使われますが、処方する薬は赤ちゃんに影響のないものを処方しますのでご安心ください。
例えば解熱鎮痛剤であればアセトアミノフェンやイブプロフェンなどが推奨されています。抗菌剤ではセフェム系やマクロライド系といった小児に適応のある薬であれば問題ありません。
また、虫歯治療などで使用する麻酔の注射(キシロカイン)も問題ありません。

薬を中止する場合は自己判断ではなく必ず医師と相談して決めることが大切です
以下のに安全に使用できる薬の一部を紹介します(引用:国立成育医療センター)。参考にしていただければ幸いです。

成分名 代表的な商品名 代表的な薬効分類
アセトアミノフェン カロナール 解熱・鎮痛剤
イブプロフェン ブルフェン 解熱・鎮痛剤
ジクロフェナク ボルタレン 解熱・鎮痛剤
セファクロル ケフラール 抗菌薬
セフロキシム オラセフ 抗菌薬
クラリスロマイシン クラリス 抗菌薬
アジスロマイシン ジスロマック 抗菌薬
レボフロキサシン クラビット 抗菌薬
ファモチジン ガスター 消火器官用薬
フェキソフェナジン アレグラ 抗ヒスタミン薬
テオフィリン テオドール 喘息治療薬
ニフェジピン アダラート 降圧薬
ジルチアゼム ヘルペッサー 降圧薬
オセルタミビル タミフル 抗ウイルス薬
リドカイン キシロカイン 抗不整脈薬、麻酔薬

国立成育医療センターより引用改変

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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