抗生物質を服用すると歯が変色する?

抗生物質を服用すると歯が変色する?

コラム

2008.9.25

歯が変色する原因は以前にもコラムで述べましたが、加齢によって歯が黄ばんで見えたり、歯の神経を取ることによって茶色に変色する場合があります。

また幼児期の病気で抗生物質を投与されると歯が変色する場合があります。よく知られているのがテトラサイクリン系の抗生物質による歯の変色で、歯が形成される時期に投与されると色素が歯の内部に入り込んでしまいます(図1・2)。

歯が形成される時期は部位によっておおよそ決まっているので、歯のどの部分が変色しているかでいつ抗生物質が投与されたかを推測することができます。

前歯の先端寄りに変色がある場合(図1)は出生直後から3歳までの間に薬物投与を受けており、前歯の根元に変色がある場合(図2)は3~6歳頃に薬物投与を受けていたと推測することができます。したがってそれ以降にテトラサイクリンを投与されても前歯の見える部分は完成しているので変色することはありません。

改善する方法としては歯のホワイトニングがありますが、図2のように歯の根元に変色がある場合はホワイトニングによる改善は難しく、どうしても白くしたい場合は歯の表面を薄く削ってセラミックを貼り付けるラミネートベニアという方法がよいでしょう。

図1
図1

図2
図2

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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