妊婦が虫歯になりやすいのは赤ちゃんにカルシウムを取られるから?

妊婦が虫歯になりやすいのは赤ちゃんにカルシウムを取られるから?

コラム

2021.2.24

よく、「赤ちゃんにカルシウムを取られて歯がボロボロになった。」という話を聞きますが、これは単なる俗説に過ぎず、実際には歯からカルシウムが胎児に移行することはありません。
妊娠中に虫歯になりやすいのは、お口の中が虫歯になりやすい環境になっているからです。
原因としては以下のことが挙げられます。

  1. つわりがひどいため、歯みがきが十分にできない。
  2. 妊娠によって胃が圧迫され一度に十分な量の食事を採ることができず、間食が多くなってしまう。
    そのため歯の表面は、付着した歯垢から産出される酸にさらされる時間が長くなり、虫歯になってしまう。
  3. ホルモンのバランスが変わって歯肉が腫れやすくなり、歯ブラシによる清掃性が悪くなる。

虫歯を予防するためには、きちんと歯を磨いてお口の中を清潔にしていただくしかありません。
つわりがひどい方はヘッドが小さい歯ブラシを使用するなど工夫して、できるだけ磨くようにしましょう。
間食が多い方は、砂糖を多く含んだ食品は避け、食事のたびに歯みがきをするよう心がけましょう。歯を強くするフッ素入り歯みがきペーストを使用して歯を磨くのも効果的です。
また虫歯になりやすい歯と歯の間は、歯ブラシだけできれいに磨くことは難しいので、デンタルフロス(糸ようじ)を使用して歯垢を除去しましょう。

お口の中を不潔なままにしておくのは、単にお母さんだけの問題だけではなく、おなかの赤ちゃんにまで影響することがあります。歯肉が腫れやすい、歯石が付きやすいなど歯周病の症状がある妊婦さんは、健常な妊婦さんと比較して早産になりやすいという研究報告があります。元気な赤ちゃんを産むためにも、お口の中を清潔にすることは非常に重要なことです。

妊婦イメージ

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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