唇にできた水ぶくれが治らないけどどうすればよい?

唇にできた水ぶくれが治らないけどどうすればよい?

コラム

2009.2.11

唇の内側に水ぶくれのようなものができて、なかなか治らないことがあります。
これが半球状の弾力あるしこりで、やや青みがかった色を呈していれば粘液のう胞とばれるものに間違いないでしょう(図1)。決して悪性ではありませんので心配の必要はありません。

口唇には小唾液腺とよばれる粘液を作る器官がありますが、粘液のう胞はこの粘液を排泄する管がつまって粘液が貯留することによって生じます。貯留する原因は、口唇を歯で咬んで傷つけてしまうことによるものが多いようです。

処置の方法としては、針で穴をあけてつぶしても再発することが多いので、局所麻酔下にて摘出手術を行います(図2・図3)。また再発防止のため、かみ合わせの調整をして唇を咬まないようにすることも必要です。大きな粘液のう胞になると摘出後に口唇の部分的な知覚麻痺を起こす場合がありますので、のう胞が大きくならないうちに受診することをおすすめします。

  • 口唇の粘液のう胞
    図1 口唇の粘液のう胞
  • のう胞摘出
    図2 のう胞摘出
  • 術後
    図3 術後
監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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