味覚障害はどんな時に起こるの?

味覚障害はどんな時に起こるの?

コラム

2019.1.24

味覚は食事を楽しむのに必要不可欠です。また食べ物が腐敗していないかどうかを判別するのにも重要な働きをしています。味覚障害が起きてしまうと食欲や判断力が低下するため、健康に悪影響を及ぼすことがあります。

一口に味覚障害といっても味覚が減退するだけでなく、味覚消失解離性味覚障害(特定の味覚が分からなくなる)、異味症(本来の味と違った味がする)、悪味症(食べ物全体が嫌な味になる)など様々な症状があります。

味覚障害が起こるのは、多くは体内の亜鉛不足が原因とされています。舌の表面には数多くの味蕾(みらい)といわれる味を感じる器官がありますが、亜鉛が不足すると味蕾を形成する細胞が減少したり、機能が低下したりします。
また唾液の分泌低下も味覚障害の原因とされています。唾液が少なくなると口の中が乾燥し、味物質が味蕾へ拡散されにくくなるためです。

味覚障害は薬の副作用でも引き起こされます。亜鉛の吸収を阻害したり、唾液分泌機能を低下させる副作用を持つ薬は数多くあります(表1)。
味覚障害は、消化管の機能低下による亜鉛の吸収量の減少や唾液分泌が低下する傾向にある高齢者に多いですが、最近では偏食傾向にある若い女性も増えているそうです。

味覚障害を改善する方法は

  1. 1. 亜鉛不足が原因の場合
    亜鉛を多く含む食べ物を摂取する必要があります(表2)。また亜鉛を含むサプリメントを摂取する方法もあります。亜鉛供給による味覚障害の改善は、効果が表れるのに1か月以上かかるといわれていますので、焦らずに経過をみていきましょう。
  2. 2. 薬の副作用が原因の場合
    医師と相談して薬の服用中止や変更が必要な場合がありますが、勝手に薬の服用を中止するのは危険です。
  3. 3. 唾液分泌低下が原因の場合
    口腔乾燥を改善する薬(サリグレンなど)の服用や人口唾液の噴霧薬(サリベートなど)、うがいや水分補給で味覚が改善する場合があります。

表1 味覚障害を起こす薬剤

魚介類カキ、いわし、しらす干し、魚卵
海藻類寒天、のり、わかめ
肉類牛レバー、牛肉、豚肉
野菜類干ししいたけ、パセリ
豆類小豆、大豆(納豆、味噌、きなこ)
種実類カシューナッツ、アーモンド
嗜好飲料抹茶、煎茶、紅茶、ココア

表2 亜鉛を多く含む食品

利尿剤フルイトラン錠、ラシックス錠
カルシウム拮抗剤アダラート、ヘルベッサーR
解熱鎮痛剤アスピリン、ポンタール
抗ヒスタミン剤ポララミン、ピレチア
抗不安剤ジアゼパム、ハルシオン錠
抗てんかん剤テグレトール錠、アレビアチン
抗生物質ビクシリン、リラシリン、ファンギゾン、フラジール
抗がん剤アドリアシン、フトラフール、MTX
監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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