口唇の形は歯ならびと関係する?

口唇の形は歯ならびと関係する?

コラム

2021.7.28

口唇の形態は人それぞれ違います。それはもちろん遺伝的なことも関係しますが、歯並びによっても大きく影響されます。
例えば前歯が喪失すれば口唇は薄くなり、八重歯の人は上唇の両端が釣り上がります。
また左右で歯並びが わずかに違っていても、口唇の形態は非対称になる場合があります。
その一例をご紹介します。


図1 術前 上唇の左側が下がっている(矢印)

図1は、口唇が左右非対称なので治してほしいと来院された患者様の術前写真です。よく見ると上唇が左下がりになっていることが分かります。これは左上の前歯が右上の前歯に比べて、わずかに奥へ引っ込んでいることが原因です。


図2 左前歯の唇面に材料を添加(矢印)

そこで左上前歯の唇面に0.7ミリ程度材料を添加しました(図2)。


図3 上唇の左側が上がり、形態が改善された

術後(図3)の写真を見ると左下がりの上唇が水平になり、左右対称に改善されました。

このようにわずかな歯並びの違いでも、口唇の形態に影響してしまうことがお分かりいただけたでしょうか?

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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