冷たいものがしみるのは虫歯のせい?

冷たいものがしみるのは虫歯のせい?

コラム

2021.3.30

暑い季節になると冷たいものを食べたり飲んだりする機会が多くなりますが、冷たいもので歯がしみたりしたことはありませんか?
もちろん虫歯が原因で歯がしみることはありますが、虫歯でなくてもしみることがあります。
これを知覚過敏といいます。
図をご覧ください。
通常、歯の表面はエナメル質という硬い結晶で覆われています。ここは感覚がないので、しみることはありません。しかし加齢や歯周病、歯ブラシによる歯肉への過度な刺激や、異常な噛み合わせなどが原因で歯肉が痩せてくると、エナメル質で覆われていない部分が露出します。この露出した歯質は象牙質と呼ばれ、その中にある無数の細い繊維は、歯の中心にある神経(歯髄)と繋がっており刺激を伝達します。そしてこの象牙質に刺激が加わることによって知覚過敏が生じるのです。
歯磨きをして痛みを感じるのも知覚過敏で、歯ブラシの先端が象牙質を刺激することにより引き起こされます。ただし歯がしみるからといって歯の根元を磨かないでいると、付着している歯垢によって歯の表面が溶かされ、よりしみやすくなります。通常、知覚過敏は歯周病の治療や適切な歯磨きで徐々に改善していきます。しかし歯の根元の歯質がクサビ状に欠けてしまっている場合は、歯をきちんと磨いても症状が改善しないことがあります。これは歯ぎしりなどの異常な咬み合わせの力によって、歯の根元に大きな歪みが生じ、歯の構造が崩壊してしまうからです(2019年6月コラム参照)。このときは咬み合わせの調整や、場合によってはマウスピースの装着が必要になります。またクサビ状に欠けた歯質は、症状の改善と歯の形態回復を目的として、歯と同じ色のつめ物をすることがあります。
もし虫歯がないのに歯がしみる場合は、歯肉が痩せていないか、もしくは歯の根元がクサビ状に欠けていないかを確かめてみてください。

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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