保険治療でクリーニングはできないの?
2016.4.26
当院でよくあるお問い合わせで
『保険でクリーニングをしてほしい』 『1回で歯石を取ってほしい』
というものがあります。残念ながらこれらのご要望は保険診療で対応することはできません。
保険診療は病気に対する治療を行うことが大前提となっています。歯のクリーニングは病気の治療ではなく審美・予防処置ですので保険は効きません。
保険で歯石を除去する場合は、歯周病かどうかを診断するために必ず歯周組織検査を受けなければなりません。そして歯周病と診断され、その治療目的としてはじめて歯石を除去することができます。また保険で歯石を除去するためには、原則2回以上の来院が必要です。ステイン(着色)は歯周病の原因ではないので保険で除去することはできません。
審美・予防目的となる歯のクリーニングは自費診療になります(図1)。これは歯石、ステインを含む歯面付着した汚物を1回できれいにすることができます。歯周組織検査は不要です。
歯のクリーニングといっても歯石やステインを除去して見た目をきれいにすることが目的のものや、虫歯や歯周病の予防が目的のものなど、いろいろな種類があります。目的別に歯面に塗布する研磨剤や口腔ケア製品を使い分けています(図2)。クリーニングメニューも数種類あり、6,000円~15,000円で処置時間も45分~120分かかります。
例えばタバコのヤニなどステインの付着が著しいものは、重曹と水をジェット噴射させて除去するエアフロー(図3)を行い、その後ステインの付着を予防するために数種類の研磨ペーストで歯面を滑沢にします(図4)。
皆様のお口の状況に応じたクリーニング方法を歯科衛生士がご提案しますのでお気軽にご相談下さい。
図4a 歯のクリーニング前
図4b 歯のクリーニング後

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長
東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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