フッ素は虫歯予防にどんな効果がある?

フッ素は虫歯予防にどんな効果がある?

コラム

2022.3.25

フッ素は、現在では多くの歯磨剤に含まれており、虫歯予防に効果のあることが広く一般の方にも知られています。

具体的にどのような作用があるのかを挙げてみると、

①歯質の強化
歯の表層のエナメル質はハイドロキシアパタイトという非常に硬い結晶でできていますが、虫歯菌が出す酸に対して弱い性質があります。しかしフッ素イオンを取り込むことでフルオロアパタイトという酸に強い結晶構造をつくり、歯を守ります。

②再石灰化の促進
歯の表面が酸で溶け始めても、唾液中のミネラルで再び硬くなります。これを再石灰化といいますが、口の中のフッ素イオン濃度が高くなると再石灰化の速度が速くなると言われています。

③虫歯菌に対する作用
口の中のフッ素イオン濃度が高くなると、虫歯菌は代謝阻害を引き起こして酸を産生することが出来なくなります。また、歯の表面に歯垢(プラーク)の形成を阻害します。

フッ素は、普段何気なく使用している歯磨剤やデンタルリンス(図1)に含まれていることが多く、意識せずとも虫歯予防を実践しています。また歯科医院では予防効果を高めるため、さらに高濃度のフッ素を歯面に塗布する方法(図2)があります。
しかしフッ素を使用しているからといって全く虫歯にならないわけではありません。歯垢(プラーク)が常に付着している部位は虫歯のリスクが高まります。歯科医院でブラッシング指導を受け、普段からきちんとした歯みがきを心がけましょう。


図1 フッ素が含まれている歯磨剤とデンタルリンス


図2 医院での専用トレーを用いたフッ素塗布

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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