デンタルフロスの使い方を知っていますか?

デンタルフロスの使い方を知っていますか?

コラム

2023.3.24

歯の表面に付着した歯垢(プラーク)を効果的に取り除くには、歯ブラシだけでは限界があります。特に歯と歯の間(隣接面)は歯ブラシの毛先が届きにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具が必要です。文献によると歯ブラシのみでの歯垢除去率はおよそ60%であるのに対し、歯ブラシとデンタルフロスを併用すると歯垢除去率がおよそ80%にまで上がるとの報告があります。
またデンタルフロスは歯垢の除去効率を上げるだけでなく、隣接面に入れた時のフロスの引っかかりや歯肉からの出血で、虫歯や歯周病の早期発見に役立つこともあります。

医院で歯みがき指導をする際に、デンタルフロスの使い方がよく分からない方が多くいらっしゃいますので、今回はデンタルフロスの使い方をご紹介します。

まずフロスを40センチくらいの長さに切り取り、間隔が10~15cmくらいになるよう、左右の中指に巻きつけます(図1)。
次に左右の親指と人差し指でフロスをつまんで、間隔が2~3cmになるようにします(図2)。
上下の前歯は、どちらかの親指ともう一方の人差し指で押さえてフロスを入れます(図3)。
上下の奥歯は、左右の人差し指もしくは親指でフロスを入れます(図4・図5)。
フロスの動かし方は、歯の側面に沿わせながらゆっくりと上下させてこすり歯垢をかき取ります。
フロスが汚れたら使用した部分をずらし、新しい部分で次の歯間部を清掃します。

デンタルフロスの使用はお子様の時から習慣付けるようにしましょう。使い方が難しい場合はホルダー付きのもの(図6)で構いません。自分でできない小さなお子様の場合は保護者が行って下さい。

図1 左右の中指に巻きつけて間隔が10~15センチくらいなるようにします
図1
左右の中指に巻きつけて間隔が10~15センチくらいなるようにします

図2 間隔が1~2cmになるよう、左右の親指と人差し指でフロスを保持します
図2
間隔が1~2cmになるよう、左右の親指と人差し指でフロスを保持します

図3 前歯は、どちらかの親指ともう一方の人差し指で押さえてフロスを入れます
図3
前歯は、どちらかの親指ともう一方の人差し指で押さえてフロスを入れます

図4 上の奥歯は、左右の親指もしくは人差し指でフロスを入れます
図4
上の奥歯は、左右の親指もしくは人差し指でフロスを入れます

図5 下の奥歯は、左右の人差し指でフロスを入れます
図5
下の奥歯は、左右の人差し指でフロスを入れます

図6 ホルダー付きのデンタルフロス
図6
ホルダー付きのデンタルフロス

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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