キシリトールが歯にいいのはなぜでしょう?

キシリトールが歯にいいのはなぜでしょう?

コラム

2022.4.22

虫歯菌は砂糖が大好物です。砂糖を自分の中に取り込み栄養にして酸を産生します。
歯の表面に付着した虫歯菌はこの酸で歯を溶かし、虫歯をつくります。

キシリトールは白樺の樹液などを原料にして作られる甘味料で構造が砂糖に似ており、
虫歯菌はこれを取り込み栄養にしょうと頑張りますが分解できずに無駄なエネルギーばかり使うことになります。
やがて虫歯菌は疲れてしまい酸が出にくくなり、さらに菌の増殖も抑えられるため虫歯予防になります。

キシリトールはカルシウムと結合しやすく、歯の再石灰化を促します。唾液にはミネラルが豊富に含まれているので、
溶けた部分にカルシウムやリンが結合して歯の表面の溶けた部分を修復していきます。
またフッ素と一緒に使うことで、歯をより強くすることができます。

キシリトールガムを噛むと、唾液量が増えることで酸を洗い流す効果や酸を中和する効果が大きくなりますが、
このことも虫歯予防に役立っています。
最近の研究では、赤ちゃんが生まれる前もしくは生まれてすぐにお母さんがキシリトールガムを噛む習慣をつけていれば、
子供の虫歯を予防できることが分かっています。

キシリトール使用の注意点としては、摂取し過ぎるとおなかがゆるくなります。
またキシリトールを摂取したからといって、歯みがきをしなくてもよいわけではありません。 
歯みがきは虫歯予防の基本中の基本です。

監修者情報
監修情報

森田 誠(もりた まこと) 山手通り歯科 院長

東北大学卒業後、仙台市内の歯科医院に勤務。その後、新宿区の元日本接着歯学会副会長が在籍する歯科医院で8年間勤務。その間、鶴見大学歯学部歯科補綴学第二講座に所属し学位(歯学博士)を取得。
日本歯科審美学会、日本顎咬合学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯科学会、日本歯科保存学会に所属し、なるべく歯を残し、美しさを追求することに精進する。その結果、数多くの著書を手掛け、長きの臨床と研究により接着性・審美性に優れた「接着修復治療」を実践。現在、中目黒で開業し日々精度の高い治療を行っている。
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