コラム

歯垢は食べカスだと勘違いしていませんか?

コラム

2019.7.25

歯の表面に付着している白い物体は歯垢プラーク)と呼ばれていますが(図1)、これは食べカスではありません。歯垢は細菌の増殖によって作られます。
歯垢は歯の表面にペリクルと呼ばれる唾液由来の粘着性のある糖タンパクが生成・付着し、それを足がかりに細菌が増殖して堆積していきます。

歯垢はおよそ80%が細菌で、残りは細菌の代謝産物(細胞外マトリックス)などでできています。図2は歯垢を拡大したものですが、歯垢1mg中にはおよそ1億以上もの細菌が存在しています。歯垢を俗に歯くそといいますが、その名前の通り非常に汚いものであることがお分かりいただけると思います。
歯垢の中に数百種類もの細菌が存在すると言われていますが、その中に虫歯菌歯周病菌の割合が多く存在していれば歯や歯肉に有害な影響を与えます。例えば虫歯菌が多い場合は、食事に含まれる糖分によって歯の表面に付着した歯垢から酸が放出され歯の表面が溶けます(2013年2月コラム)。しかし歯垢を除去すれば唾液によって再石灰化が促進され、虫歯の進行が抑制されます。したがって歯や歯肉を健康に保ってくためには、日常の歯みがきによる歯垢の除去が非常に重要なのです。
図2を見て、歯みがきをきちんとしようと思うきっかけになれば幸いです。

図1
図1 歯の表面に付着した歯垢(プラーク)


図2 歯垢を顕微鏡で拡大したもの

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